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    祖母ときもの

    • いち瑠福岡天神校
    • Y.Y様

    私の年代(50代)では小さい頃祖母は毎日きものを着て過ごしていたように思います。祖母の部屋に行くとくけ台を横に裁縫をしていた姿が思い出されます。そして、お正月には私達孫にもウールのきものを縫って着せてくれたり、自分の古くなったきもので半てんや丹前を縫ってくれました。そんな祖母のお陰で、きものを身近に感じて育ってきたように思います。

    成人式には馴染みの呉服屋に祖母と母と3人で行き、お嫁に行くときは嫁ぎ先で恥をかかないようにと喪服・色無地・訪問着など一通りをそろえてくれました。祖母は北海道から九州に嫁いだ私を、風習が違うから、しきたりが違うからといつも心配してくれました。そんな祖母のことを思い出すと今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

    子どもが産まれてからはきものを着るのが面倒になり遠ざかっていましたが、子ども達も大きくなり、またきものを着たいと思うようになりました。着付けを習って自分で着られるようになると「きもの=特別な日」ではなく、普段のちょっとしたおでかけにもきものを着て行くようになり、きものに触れる機会が増えました。